#0008 田口道明『彼女は泳いでいる。きみの視線の奥、夢の海を──。』

この本、実は、今、手元にない。
多分、実家のどこかにあるか、
あるいは、どこかの時点でうっかり処分してしまったか。
ウェブで気になって探してみたけれど、古書関係のサイトでは
見つかりませんでした。
多分高校生の頃に出会ったこの本。
青山書房から1985年に刊行されたようです。
当時も、古書店の本棚で見つけて買ってきた記憶があります。


アイドルとかのグラビアページって、
不思議な詩みたいなものが書いてあったりしますよね。
あれをまとめた本なんです。
コピーライター・田口道明のコピーに、
黒田征太郎のイラストレーションを組み合わせたこの本。
なんだか、そのコピーとイラストのコンビネーションが良かったんですよね〜。


この本のタイトルになっている
「彼女は泳いでいる。きみの視線の奥、夢の海を。」は、
浅野ゆう子の写真集のタイトルコピーとしても使われていたもの。
今思うと、ちょっと八十年代的な雰囲気ではあるかもしれませんが、
詩情を感じさせ、けっこう好きかも。


田口道明は作詞活動もしていたようで、
柏原芳恵(なつかしい…)などにも提供していた模様。
「クレヨンで描けない昼と夜の物語」
「しなやかな夜をはさんだビスケット」などがあるらしい、です。
どの曲も、聴き覚えがないので何とも言えませんが…。
他にも、内田裕也トルーマン・カポーティ・ロックンロール・バンド
(なんていうのがあったんですね〜、知らなんだ。)による
レイモンド・チャンドラーをテーマにしたコンセプトアルバム
さらば愛しき女よ Farewell, My Lovely」へも
詩を提供しているようです。


この本、手元にないと思うと妙に気になり始めたりしています。
何でも、手に入らないものってかえって手にしたくなるもんですね。