#0002 羽根田 治『ユージ★ザ・クライマー』


平山ユージ、というスゴいクライマーに
以前から関心があり、
ちょっとしたキッカケもあって
この本を手に取りました。

ユージ ザ・クライマー―世界最強のクライマー平山ユージのライフストーリー
「ユージ★ザ・クライマー」羽根田 治著/山と渓谷社刊(2003/11)



実は、彼による具体的な記録等は
あまり知らなかったのですが、
「彼はスゴい!!」という
情報だけは周りにあって。


高校3年(彼は5年制の高専の生徒でしたが)になる頃に休学して
アメリカやフランスへクライミング修行に出掛けたり、
フリークライミングのワールドカップ
1998年、2000年の二度にわたり年間総合優勝、
しかも日本人初。


それも、初めて本格的にフリークライミングを始めたのが
高校生になったばかりの頃、というんだから
信じられません。
あっ、フリークライミングというのは、簡単に言うと
垂直や時には90度を超えてこちらに覆い被さってくるような
山の岩肌を、自分の指先と足先だけを頼りに
小さな岩の割れ目や出っ張りを
取りかかりにしながら、よじ登っていくというものです。


実は、私自身も、
ちょっとだけフリークライミングの講習を受けに行ったり
したことがあるんです。
高いところによじ登ることが好きだったんですね、
思えば昔から。
小・中学生の時に、
土砂崩れ防止などで設置された石積みの壁面に
夜ごと(<昼間は住宅街近くなので人通りが多く恥ずかしい)
よじ登りに行っていた記憶もあったりします。


この本、平山ユージの半生を
振り返る、という内容のものなのですが、
彼の気持ちに自分自身の気持ちが
どこか重なる(というか勝手に重ねて見ている)ところがあったりして、
思わずグイグイと読み進み、
3時間かからずに読み終えてしまいました。
後半の二時間は、職場近くのタリーズ・コーヒーで、です。
約300ページなので、けっして薄い本ではないのですが
それほど読みやすく、おもしろかったんですね。


まぁ、このジャンルに興味がある人でなければ
おもしろくはない本かもしれませんが…。
フリークライミングというものの持つ不思議な魅力、
そして平山ユージという35歳になった人間の魅力が
しっかりと伝わってくる本でした。

…それにしても、本書タイトル中の「★」が
ちょっと気になるなぁ…(笑)。