貧乏者の恋
いや、別に自分の現状とはまったく関係ないんですが。
ふと久々に読み返した、庄野潤三。
短編集、「プールサイド小景・静物」の中にあった、
「ウマいこというねぇ、おっちゃん!」なワンフレーズ。
ふところの寂しい恋愛というものは、出来の悪いマッチを擦るようなものだ。いつまでたって
も、燃え出すことがない。
−『舞踏』より−
そんなに裕福ではない妻帯者のサラリーマン。
職場の十代の女の子と付き合っているが、
いかんせん金銭的余裕はなく、
その女の子と一緒に一泊の旅行にも行けない、
プレゼントに小さなハンドバック一つ買ってやれない、
というところで出てくるこの言葉。
まぁ、恋の火付け役には多少のフトコロの余裕が必要って事か。
そうはいっても、めちゃめちゃフトコロが寂しかったら、それはそれで
真っ赤な炎が燃え上がりそうな気もしたりして。
赤貧の愛!?