#0004 風煉ダンス/「爆裂!嵐の犬松Z!」

「爆裂!嵐の犬松Z!」チラシ


今日は中野の光座というところへ、
演劇を見に行ってきました。
風煉ダンス、という団体です。
http://www.furen-dance.com/
この開場の「中野光座」というのは、
廃映画館(ピンク映画館だったとか?)なんですが、
演劇やイベントなどに使われているようです。
その場所への興味もあって、行ってみたのです。
たしかに、二階の受付へ進む階段の天上から吊られた
モダン風シャンデリア?など、
かなりイイ雰囲気でしたよ〜。
井内装が前時代のアスベストらしく、
入り口で皆にマスクが配られていました。


実は、風煉ダンスの舞台を見るのは
多分これが二度目か三度目なのですが、
前に見ていたイメージとずいぶん違ってました。
前はもっと土っぽいイメージの物語だったのですが、
今回はギャグの占める割合が上がっていて、
前よりも小さな舞台で見たせいか、
コントっぽいシーンも多めで。


そもそも、実は今回この舞台を見に行こうと思ったのは、
音楽を渋さ知らズ不破大輔さんがやっているからなんです!
しかし…。
これまでは渋さ知らズの生演奏付きの
ものだけを見ていたのですが、
今回は、多分録音ものを流していたんだと思います。
非常に残念…。会場前に、不破さんの姿は見かけていたので、
「舞台は狭いけど、もしかしたら生演奏が…?」と
期待してしまっていたのでした。


で、演劇の内容はと言いますと。
客席照明が落ちると、
舞台中央に浮かび上がる、犬の銅像「犬松Z」。
二本足で直立し、その右手は空へと突き出されたまま止まっている。
なぜ彼は銅像になってしまったのか…?
その背景には、復讐と許しの間で葛藤を強いられた
犬松Zの過去があったのだった。
…てな感じでしょうか。


ただ、戦争(爆撃)で死に、地縛霊となってしまった「泥家族」や、
戦地へ出兵する男を送り出すシーンなどが
たびたび登場するのですが、
(“ひめゆり決死隊”なる三人組も登場。)
その兵士たちや家族の衣装が、昭和っぽいんですよ。
どうしても、見る側としては
太平洋戦争をそこに重ねて見てしまうわけで。
今回のストーリー(暴力、愛、許し)との関係で見ると、
その「太平洋戦争」っぽさが
かえってストーリー本筋を際立たせるのに
ジャマになってしまったのでは、と。
むしろ、ここは近未来(という設定らしいです)らしさを押し出して、
主人公犬松Zと恋人モナミとの愛、そしてそれを引き裂く運命、
そして最終的に「暴力か、許しか」の決断を迫られる犬松、という
ところに絞っていった方がいいようにも感じましたが、
まぁそこは好みの問題かもしれません…。
つい、戦争を扱ったものだと、その扱いに
妙に敏感になってしまうのかも。