納沙布岬の先に浮かぶ灯台は何を思う

立ち並ぶ風車と澄んだ冬空


根室滞在の最終日。
飛行機は、釧路発のフライトを取ったので、
根室から釧路までは、仕事の同行者と共に
レンタカーで向かうことにしました。


仕事は昼で終わる予定なので、
その後、ぜひぜひ北海道最東端の
納沙布岬へ行ってみたい!と思っていたので
ホテルのフロントで釧路までの所要時間などを
聞いたのですが、
納沙布岬を回って根室に戻り、そのまま釧路へ、という
ルートでどうやらフライトには間に合いそう。
いざ、納沙布岬!!!です。


で、仕事が終わるとすぐに予約しておいた
レンタカー屋へ車を受け取りに。
一路、納沙布岬へと向かいます。


それにしても、やっぱり北海道の道はイイ!
広々と広がる枯れ草の野原、
右手(東側)に広がる濃紺の海。
冬を迎えつつある北海道の気配が、
フロントガラスの向こうには満ちています。
ふと気付くと、高速道路なみの速度を
つい出してしまいそうになるのも、
道の周りに、速度の目安になるような
建物の類がほとんどないせいでしょう。

途中、小さな集落をいくつか抜けると、
次第に道の脇には「北方領土を返せ!」の
大きな看板が。
その文字と共に、四島が浮かぶ海の地図をバックにして
なぜかのどかな表情のアザラシの親子のイラストが
こっちを見てほほえんでいます。
…うーん、不思議な組み合わせ…。
途中で一枚、「島は奪われた」(だったかな?)という
コピーと共に、カーキ色の軍用コートに身を包んだ兵士の
イラストが描かれた立て看板を見て、初めて
思い描いていた「北方領土を…」の看板のイメージは
これだった、という思いに至りました。


そしてたどり着いた納沙布岬は、
本格的冬の到来を待っている、という感じで
人の気配もほとんどなく。


しかし、「日本最東端の地」という碑や
「返せ北方領土納沙布岬」などと刻まれた碑の
横から眺める海は、冬の海の気配のせいもあってか、
どこか乾いた切なさを漂わせていました。


そして、すこし目を沖にやると、
すこし傾いて海中から海面に突き出たかのような
小さな灯台が。


すぐそこ、に見えるこの灯台のある場所は、
今は日本の領土として認められていないのだとか。
オホーツク海を望むこの場所に立てられた
北方四島の資料館でその灯台のパネルを見たら、
無性にその灯台に立ってみたくなりましたが、
それはもちろん叶わぬ願い。

風もすこし冷たく感じてきたので、
近くの食堂に入って「カニ丼」を注文しました。
勝手に海鮮丼的なカニ丼を思い浮かべていたら、
出てきたのは「カニの卵とじ丼」…。
でも、しっかりこの地名物の花咲蟹で、
美味しかったですよ。


さて、あとはひたすら釧路へ向かうのみ。
実は、北海道の広い平原を自分でドライブするのは
初めてだったので、その景色に
今更ながらに圧倒されてしまいました。
そして、その広さに加えて私が感動したのは、
空のきれいさ、そして大きな風力発電の風車!!
アメリカの映画?などで、広野の中に
無数の風力発電用風車が
回っている、というシーンを見た記憶がありますが、
北海道の発電用風車もやっぱり大きいです。
道の向こう、丘の更に向こうにその風車が見えてきたときは
「おお〜〜〜っ!」と
声をあげそうになりました。


対向車があまりないのをいいことに、
運転しながらデジカメでその車窓の風景をパシャリ。
同乗者もあったし、フライトの時間も気になっていたので、
車を止めてその広野の空気の中にボーっと
立つ余裕がなかったのは本当に残念でしたが。


こちらは、空港の食事処で食べた三色丼。
カニ」「ウニ」「イクラ」です。
車の運転はもう終えたので、ビールと共に「いただきます!」。
いやぁ、美味でした。


機上の人となり、釧路空港を眼下にのぞみながら、
「またこの地を訪れたいなぁ、
それも、この季節に…!」と思いました。


晩秋の北海道・道東。
その切なさに、ヤラれてしまいました…。