#0021 ソウル・フラワー・ユニオン/極東戦線異状なし!?

ジャケを見開いたところ



極東戦線異状なし!?
ソウル・フラワー・ユニオン『極東戦線異状なし!?』


今年、9月11日という意味深い日に発売となった
このシングル。
これまでソウルフラワーのライブ会場や公式サイト上のみで
販売されていたようですが、
今回改めて一般発売になったとのことで
すぐに買い求めました。
ジャケ写は、裏表が続きになっていて、
表面でVサインを掲げる女性の反対側で、
裏面には武装して並ぶ兵士達が写っています。
ライナーの説明によると、「ラマ検問所で、このパレスチナ人女性は、
イスラエル兵に対して封鎖解除を求め、1時間もVサインを掲げていた。
2002年4月」とのこと。


シングル、と言いながら、
収録曲は全11曲(価格も1,890円)。
これを手にするまで、「それでシングルか!?」と
思っていたのですが、
新曲は「極東戦線異状なし!?」のみなんですね。
で、あとは全てライブ音源です。
つまり、ライブ音源は全てボーナストラック扱い?


ライブ音源は、
ジャケには”LIVE IN TOKYO (MARCH 2004)”とあるので
おそらくO-westで3/12〜13に行われた
ソウル・フラワー・ユニオンの闘いは続く!」ツアーのものでしょう。
ニューエスト・モデル時代の曲やモノノケ・サミットの曲などが
収録されてます。
(ニューエスト:「EMPTY NOTION」(『PRETTY RADIATION』/1988収録)
        「DISCO ARMED PEACE」「DAYS」
            (共に『ソウル・サバイバー』/1989収録)
        「秋の夜長」(シングル『雑種天国』/1990収録)
(モノノケ・サミット:「インターナショナル」
             (『レヴェラーズ・チンドン』/1997収録)


ソウルフラワーユニオンの曲としては、
アンチェインのテーマ(インスト)」(2000)、
「続・うたは自由をめざす」(2003)。
あとは、最近ライブでやっているらしいインスト「アテルイとモレの逆襲」が
収録されています。
「ヴェトナミーズ・ゴスペル」は
梅津和時の曲(『ファースト・デザーター』収録)ですが、
ソウルフラワーもやってたのかな。


で、新曲の「極東戦線異状なし!?」。
「その戦争を止めさせろ〜」で始まる、
すごくストレートなメッセージです。
一見平和に見えるこの日本という極東の国の
のんきさに対して、
目を閉じて世界で起きている惨劇を感じてみろ、という
アジテーション
ブッシュ大統領シャロンイスラエル首相のような
”ゴロツキ”の首根っこは
世界にあふれる唄たちが押さえるぜ、
という意味のフレーズも織り込まれ、
歌で戦う、という彼ららしい曲です。


でも…。
どこかストレートすぎるのが、気になってしまいます。
前アルバム「シャローム・サラーム」もそうでしたが、
陰なく疑念なく、自分たちの思いを歌にしている。
そこまで行ける強さが彼らにはあるんだ、と思っていますが、
やはりちょっと日常の中で戸惑いながらニュースに接している
自分としては、そのストレートさがまぶしいのか、
なんだかひるんでしまったりして…。
あぁ、弱い自分…。