自治区としてのチベット…

山に囲まれたゴンカル空港にて


【3日目】カトマンズ(ネパール)→ラサ(チベット

8月10日。
いよいよ憧れのポタラ宮があるラサへ飛ぶ日が来ました!
AM10:25カトマンズ空港発のチャイナ・エア機にて
ラサ・ゴンカル空港へ。
ヒマラヤ山脈の上を越えて飛んでいるのだけれど、
残念ながらこの日は雲が多く、山々はほとんど雲の中に
隠れてしまっていました。


実はこの日のフライト、
6人のツアーメンバーのうち
申し込みが遅かったために
カトマンズ−ラサ間の空席がなかなか取れません」
と言われていた、私ともう一人の男性が
なんとビジネスクラスにクラスアップ!
機内1列目の、日頃は横目で眺めていただけの
大きなシートに身を沈めるも、
貧乏性のせいかソワソワと落ち着かず。
高地に行くとアルコールが効くので気をつけてください、と
言われていたにもかかわらず、
機中では軽食と共に出された赤ワインをおかわり。
ヒマラヤの上空で味わうワインは、美味でした。


で、一時間半ほどのフライトでラサのゴンカル空港に到着。
ネパールからチベットへの時差は、+2時間15分。
(日本からは-1時間)
チベットの標準時刻は、なんと中国・北京の標準と
同じなんですね〜。
あれだけ横幅の広い国でありながら、
西方の自治区を含め、全土に統一時間を課すとは
中国、恐るべし。
しかしその中国パワーの怖さを
チベット滞在中、しばしば感じることになるとは
このときにはまだ気付かず…。


その「中国ショック」の第一弾は、
まずラサ市内に入ったとたんに目に入る、
町じゅうに掲げられた商店や宣伝の看板に書かれた文字。
全て、漢字が最も大きく書かれている!!
えっ、チベットって、あの横にひと続きになったような
梵字のような文字じゃないの…?
と、よくみると大きな漢字の上に、ルビのように
控えめにチベットの文字が。
数々の苦難ののちに中国の「自治区」となっているチベットの悲哀を、
最初に感じた瞬間でした。
なんだかラサの町全体が、中国の少し賑やかな小都市のように
見えてきてしまって…。
この時点では、正直言って、
ちょっとチベットに肩すかしをくったような、
そんな印象を受けてしまいました………。
(後で、「それでもチベットに来て良かった!」と
 思うことはたくさん出てくるのですが。
 上記は、あくまで第一印象、です)

チベット国旗画像
上の画像はチベットの”国旗”です。今となっては
この旗がチベットに翻ることはない…。


で、ブラブラと散歩の後、ホテルで夕食。
この時点では体調に異変は全くなく、ほぼ快適。
階段を昇るのはさすがに息が切れましたが。
そして夕食後には夜の町を徘徊。
屋台でなにやら串揚げ風のものを食し、
とりあえずラサ第一日目の夜は更けていったのでした。


が!
夜中に鈍い頭痛で目が覚める。
ちょっと吐き気も伴っている。
うーん、こりゃ高山病の典型的な症状だ…。
実は、予防薬として高地入りの前日くらいから
飲み始めるべきダイアモックスを、
薬に頼りたくないがために
飲まずに高地入りした私でしたが、
やっぱりこうなってしまってはしかたない。
ダイアモックス、服用しました。
これがダイアモックス!お世話になりました…
心の中で、「無念!我が身体、高山の前に屈す…」とつぶやきながら。


このダイアモックスという薬、
予防的使用には1回半錠で十分、と言われていたのですが、
いちおう処方された量も1回1錠だし、
対症使用ということで1錠を飲み下して
気持ち悪いのを抑えながらなんとか眠りにつきました。


(*この日記は、帰国後に旅程を振り返って書いたものです)