#0001 『グッバイ、レーニン!』


旅先の映画館で、『グッバイ、レーニン!』 ( Good bye Lenin! ) を
見てきました。

舞台はベルリンの壁崩壊前後のドイツ。
バリバリに社会主義の理想を信じる母親が、
反体制?のデモに参加し、警官隊に連行される息子の姿を見て
意識を失ってしまうわけです。
で、そのまま母親は八ヶ月間眠りつづける…。
その間に、東ドイツ国家評議会議長ホーネッカーは退任においこまれ、
ベルリンの壁は崩壊。
旧東ドイツの地域には、資本主義の波が押し寄せ、
東ドイツ製品はマーケットから姿を消し、
東ドイツマルク紙幣は短い交換期間の後、紙クズに。
町中では真っ赤なコカ・コーラの配達車が
走り抜ける…。

昏倒から目覚めた母親に、精神的ショックを与えたら
死んでしまうかもしれない、といわれて
この世界の変動を母親に隠し通そうとする息子、アレックス。
その彼の奮闘が、なんとも泣けるんです。
ゴミ箱から東ドイツ製のジャムの瓶を拾ってきて
それに新品を詰め直し、見慣れた東ドイツ製に見せかけたり、
のみの市であれこれ東ドイツ時代に繋がるものたちを買い集めたり、
しまいにはテレビが見たい、という母親のために
キューブリックかぶれの映像オタクの職場仲間デニスと一緒になって
偽のニュースまで録画して、母親に見せたり。

コミカルであればあるほど、切なくなってくるんですな、これは。

アレックスと友人デニスとが作り上げていく
偽の「その後の東ドイツ」はいつしか、
地上のどこにもない、理想の世界に重なっていく…。

ほんと、必見です。
サントラも買お〜っと。
「グッバイ、レーニン!」オリジナル・サウンドトラック(CCCD)


<追記>
この「グッバイ、レーニン!」、
2004/10/16にDVDが出ました。
グッバイ、レーニン! [DVD]
劇場で見損ねた方は、ゼヒ!