#0002 LOUD COLORS/v.a.

『LOUD COLORS』


先日、注文していたDVDが到着しました。
「LOUD COLORS」
\3,990.- 発売元:SQREW/DMC JAPAN
(cf:DMC JAPAN公式サイト
http://www.dmc-japan.com/sqrew/shop/shop_086_Loudcolors.html
このDVD、「SIDE-A」と「SIDE-B」があるんです。
といっても、ディスクの裏表ではなくって
単にそういうチャプター分けに
しているだけですが。


で、まずは「SIDE-A」。
ここには、2003年8月7日にクラブチッタで開催された
JAPAN DMC DJチャンピオンシップという
DJバトルの模様が収録されてます。
このチャンピオンが、DMC WORLDという
世界大会に出場できるわけですね。
(cf:DMC JAPAN http://www.dmc-japan.com/)
DMC WORLD http://www.dmcworld.com/technics2004/
ちなみに、2004年のDMC WORLDの
バトル部門では、日本代表のDJ AKAKABEが優勝!です。
(たぶん)1986年から始まったイベントで、
これまでにQ-BERTやDJ Crazeらがチャンピオンの栄冠を
勝ち取っています。
そのDMC WORLDの日本予選となるJAPAN DMC
SINGLE部門(つまり単独パフォーマンス)で
最初に登場するのは、関東セクションのKATSU-MIX。
モコモコしたジャズっぽい
ウォームな音を中心にした組み立てで、
ボブ・マーリー?の歌のワンフレーズを冒頭に持ってきて、
そこからゆったり感あふれるグルーヴを紡いでいきます。*1
こんなの聴きながらクラブでボーっとしてたら
気持ちよさそうだなぁ、って感じです。
彼の生のプレイをもっと長尺で聴いてみたい!!
でも、時折、リズムの繋ぎのちょっとしたズレが
気になったりしましたが…。
まぁ、その辺りは私自身が全くDJをやらないから言える
勝手な無い物ねだり、です。


次に目に付いたのが、東海セクションからのYASA。
この人、タイム感いいです!
聴いていて安心してノレる、という。
関西からのrock-LOも、ヴォーカルネタをうまく絡ませながら
アップテンポでグイグイアゲてきます。
同じく関西のZOEは、
ソウルネタ使いでかなり好きな感じです。
しっかりタイトにリズムを繋げながら
JBの声を絡ませたりしていて。
ブレイクの入れ方も聴いていてわざとらしくなく、
キモチイイです。
そして後半では「EYE OF THE TIGER」なんかも使ったりして。
そこに被せていく怒濤のスクラッチが最高!
でも、結局シングル部門ではYASAが優勝でした。


一方、バトル編では
それぞれに熱い戦いを繰り広げているようなのですが、
MCバトルとかと比べて
ダイレクトなやり合いにならないので
ちょっと流して見てしまいました。
これなら二人分を別々にソロ(=SINGLE)で見ても
あまり変わらないのでは?


でも、さすがにバトル部門でチャンピオンになった
威蔵はスゴイです。
威蔵vs宮島のバトル、
宮島もハードロックネタを入れながらのプレイを見せると、
威蔵は日本語ラップを織り交ぜながらのプレイで応酬。
「よぉーっ、ポン!」と小鼓まで入ったのには笑いました。


交互に数分のプレイをすること2ラウンド。
その2つのラウンドにどんな内容を持ってくるか、というあたりが
バトルならではの見所かも。
やっぱり、出る側としてはバトルの方が
熱くなるのかなぁ。


…えっ、ちょっと待てよ。
このバトルに登場している人たち、ヘッドフォン掛けてません!!
もちろんディスクにマーキングはしてますが、
ディスクチェンジだってしてるのに…。
いやぁ、実はジックリとbattle系のDJのプレイを
見たことは全くないんですが。
よく「溝が読める」なんていう話を聞きますが、
スゴイですね〜。
*2


バトルのセミファイナル、威蔵 vs DJ TAIでは、
威蔵が、相手をケナすシャベリ(の音)を
プレイの最後に入れたりしていたのが
ちょっとどうかと思いましたが…。
「オマエが弱いわけじゃねぇ、このオレが強すぎるダケ」とか…。
それに対して、淡々と受けるDJ TAI。
その雰囲気はイイ感じだったのですが
いわゆる”ドープ”なのとは違ったアブストラクト寄りの組み立てで
ちょっと盛り上がりに欠けたのか
(盛り上がりは関係ないのかもしれませんが)、
7-0のジャッジで敗退。


ファイナルでは、DJ NORIHITOと威蔵のバトル。
威蔵が和太鼓風リズムを刻んできます。
個人的にはDJ NORIHITOのプレイの方が
好きでしたが、7-0で威蔵の勝利。


さて、もう一つのSIDE-B。
「SOUND CIRCUS」と題されています。
で、2003年のDMC WORLDに日本代表として挑み、
シングル部門で4位だったYASAと
バトル部門でベスト8に入った威蔵との
プレイとPV(YASA「大疾走」/威蔵「鬼桜」)、
そしてインタビューが収録されてます。
やっぱりこの二人だったら、YASAのプレイが好きかな。
威蔵のプレイは、和ネタ使いとか
いろいろチャレンジがあっておもしろいんですが。


そして、なんといってもこのDVDを買った理由は
このSIDE-Bに収録されている
AFRAHIFANA
AFRAはインタビュー中心の構成ですが、
動物園でチンパンジーの檻の前で
AFRAがプレイすると、チンパンジーが大喜び!という
クリップが挿入されてます。
それが、ちょっとバカバカしいけどいい雰囲気で。
「目標は、やっぱAlways Fresh Rhythm Attack。
あれは課題ですね、常に。」っていう締めの言葉に
オオッ、と妙に感動。
HIFANAは、スタジオでのプレイを元にしたプロモ?っぽい
映像と、DMC JAPAN FINAL 2003での
ゲストライブ映像がちょこっと。


でも、2002年DMC WORLDでチャンピオンになった
DJ KENTAROや、
1999年Single Weapon Joustでスクラッチ世界No.1になった
DJ HANGERのプレイもイイです!
DJ KENTAROは、満開の桜の中(砧公園?)での「桜ルーティン」の
 プレイが収録されてます)


そうそう、ダブルダッチ*3
RUN-D-CREWの
1999年のアポロシアターでのアマチュアナイトで
優勝したときのステージも収録されているんですが、
そのステージングもすごいけれど
客席のノリノリ具合もすごい!
スタンディングでワイワイ盛り上がっていて、
すごいトリックが出るとグワァァッ!!と湧きます。
こんなところでパフォーマンスして受けたら
ホントに楽しいだろうなぁ。


と、いろいろ書きましたが、
ディスク全体で見ると、
いろいろ入っているけれどどれもちょっとずつ
ボリューム感に欠ける幕の内弁当、って感じでしょうか。
ホントはHIFANAのステージだけが収録されているDVDがあれば
ぜひ見てみたい、というところです。
DJingを見たいなら、
海外の大御所たちもいろいろ(教則本ものやドキュメンタリー物など)
DVDを出してますし、ね。
まぁ、登場人物の中に気になる人が何人かいれば
買い、というくらいかな。

*1:後記:DJX.jpのサイトhttp://www.djx.jp/にこの時のルーティン解説が掲載されています。
http://www.geocities.jp/djkatsumix0930/dmc2003set.html

*2:これ、後にAKAKABEや威蔵のプレイを見て知ったのですが、ネタとなるフレーズの入りの所に直径8ミリ程度?のシールを切ったモノを貼って、レコ針をそこに持って行くと自然とその狙った溝に入る、というやり方をしてるんですね〜。見て知る、ジャグリング系DJの常識、だったのでした…

*3:簡単に言えば、二本の長縄跳びを使ったストリートダンス。でも、縄跳び、と思って甘く見てると驚きますよ〜、スゴイ!です