#0001 ナイロン100℃/男性の好きなスポーツ

さて、それでは日を改めて、になりましたが
ナイロンの舞台について、です。


ナイロン100℃の舞台を
見たのは久しぶり。
どれくらい久しぶりかなぁ、と思い
オフィシャルサイト http://www.sillywalk.com/nylon/ を見てみると。
なんと!2000年紀伊國屋ホールでの
19th Session「絶望居士のためのコント」以来ではないですか!
なんと4年間もの間、見てなかったんですね〜。
まぁそんなもの、といえばそんなものですが。

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*注意!あらすじも書いてありますので、
 これから舞台を見る、という方は
 ここから先は読まない方がよいかもしれません…。*

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で、今回見てきたのは、26th Session
男性の好きなスポーツ」。
ズバリ、SEXネタです。
幕開けからいきなりそっち系のネタ炸裂。
でも、笑っちゃうんですよね〜。


ストーリーを思いっきりあらく括ってみると、
「さえないサラリーマンが、
コンビニで出会った若い女性店員にトキメキを感じ、
結局、二晩を共に過ごす。夢のような日々。
しかし、夢のような日が唐突に終わりを告げた後、
サラリーマンを衝撃の事実が遅う。実は、脳腫瘍が
彼を蝕んでいたのだった…」
って感じでしょうか。あぁ、ミもフタもない(笑)。
でも、正直、ナイロンの舞台にとって
あらすじはあまり意味がない!(と独断。)


サラリーマンの妻と二人の娘、そして
会社の上司、その上司が精神病院からさらってきて囲っている女性、
またその上司の娘(これが例のコンビニの女性店員)と
セックスカウンセラーをしている妻、
クセモノの警官、後ろめたいところのある二流女優、
女をたぶらかしてカネを引っ張る男二人。
冒頭でその繋がりがはっきりと描かれるのは
サラリーマンの家族3人のみ。
あとの登場人物は、ストーリーが展開するに連れて
次第にそれぞれの関係が浮かび上がってくるわけです。
登場人物一人一人の思惑や欲望が
所々で姿を現し、互いに絡み合いながら
一つの大きな物語へと繋がっていく…。
この辺りが、なかなか巧み。
下手側にステージが一部せり出しており、
そこを含めて4つの高低付けられた小ステージが
うまく使われていて、
展開にムリがありません(<って偉そうだな、私…。何者だ!(笑))。
時間の流れは部分的に前後したりするのですが、
ストーリー展開が自然に頭に入ってきます。


そしてエンディングの場面では、
死と結婚と夢と小さな悪とが
同じ舞台の上でそれぞれに展開する…。
そこへの持って行き方の巧みさと全幕に渡るギャグの冴えに、
約3時間半(10分中休みあり)という時間も
まったく長く感じませんでした。


ただ、ひとつだけ気になったことが。
別に全体のおもしろさとは関係ないのですが、
サラリーマンの末娘(登場せず)が死ぬ理由が
ちょっと判然としないんですよね。
冒頭では、なんだかよく判らないうちに
「○○(<末娘の名前)はもう黒こげになってたよ!」と
次女が燃えていく家の中(あるいは家の前?)で
叫ぶシーンがあったのですが、その後の展開では、
家はサラリーマンの寝タバコで炎上したことに
なってました。
冒頭のシーンの雰囲気からして、
次女が殺しちゃったのか!?と思ったりしたのですが…。
…いや、ほんと重箱の隅のコトですが。


ところで、ナイロンの舞台といえばいつも目を引いていた
(と感じていた)私の大好きな大倉孝二
今回は見られなかったのが残念でした。
あの、長い手足をバタバタさせながら叫ぶ
変なキャラクターが好きなんですよね〜。


今回の出演者で目を引いたのは…
京晋佑(ワルな警察官)、
長谷川朝晴(女をたぶらかすトンデモナイ男)、
でしょうか。
やっぱり悪い役にキャラが立った役者が出ると
舞台の魅力がぐっと出てきますね〜。
あっ、そういえば所々で登場する、
ロマンチカによるエロチックなダンスも目を引きましたが
これは演技とはまた別か(笑)。
ストーリーとは関係なくちょっと意識に残ったのが、
すほうれいこのセクシーシーンが全くといっていいほど無かったこと
(その場面が登場しないようにムリに編集されている感じが
 ちょっとあったりして、さすがにいちおう”アイドル”的
 スタンス、と感心…)、
精神病院からさらわれてきて囲われている人物
(いわゆる”白痴”的人物。すみません、いい言葉が思い浮かびません)
を演じた小沢真珠が、
どうにも演技がヘタに見えてしまったこと、くらいでしょうか。
ああいうキャラを演じるのって、かなり難しそうですよね。
それにしては頑張ってたと思います。
それに、あまりシリアスにそういう役を演じても
あのナイロンの舞台では浮いてしまってたと思うし…。
あっ、主人公のわりにはキャラが薄かったサラリーマン、ウツキを
演じたみのすけはよかったですよ!全然違和感無く、
ちょっとしたキッカケで”老いらくの恋(?)”に
走ってしまうフツーの冴えないサラリーマンに
ピッタリとはまってました。