「狂気」という言葉…

映画を見て、その後でバーに。
そこでコトは起こったのでした。


私と友人はテーブル席に座ったのですが、
ふと店員がバタバタと動き回る気配に、振り返ると。


頭を押さえる女性、そして取り押さえられる男性。
女性の連れらしきもう一人の女性は
呆然と。


どうやら、男性がビール瓶で
女性の頭を殴った様子。
腕っぷしの強そうな店員が男性を羽交い締めにして、
他の店員は救急車や警察を呼んでいる。


で。
男性がちょっと危うい感じだったので、
差し出がましいけれどその男性に
話を聞きに行ったわけです。
少しは話をすれば落ち着くかな、と。


正直、支離滅裂でした。
「自分は、あの女にメッタ打ちにされて殺されたんだ。
だから、そのことを忘れちゃいけない、って言われてるんだ」と。
でも、その目を見つめながら話を聞いていると。


ここで、「サイコな、イっちゃってる目をしてた」とか
普通なら言うところなんだとおもいます。
でも。
そうじゃないんですよ、遠くを見ているようで、
こっちをしっかり見据えているようで。
言ってみると、「普通」の眼なんです。


狂気なんて軽く言って、切り捨ててしまうことは
たやすく出来るのかもしれない。
でも、そんなに判りやすい狂気、なんて
実は思うほど多くないのかもしれない。


「狂気」であるかどうかを判断するのは、いつも他人。
そんな「狂気」なんているラベルで人を判断するのでなく、
その人が何を思っているのか、を知りたい。
そう思ってしまいました。


言うまでもないことですが、
人を傷つけるのはいけない。
それは大前提ですが。


(注:出来事の一部をプライバシーの観点から事実と変えて記載しています)